国会編

鈴木宗男氏はずっと無罪を主張している。そのこと自体に何ら問題はないし、また本人が「自分は無罪なのだから政治活動を続けるのは当然」と思うのも何ら問題はない。


しかし、その鈴木氏が所属する衆議院のこれまでの対応はどうであったろうか?
2009年9月17日には衆議院外務委員長に就任した。就任に対しては自民・公明・共産が反対したが、与党はそれを押し切る形で鈴木氏を外務委員長に就任させた。

新党大地代表・衆議院議員衆議院外務委員長として鈴木氏はますます公の場に出ることが多くなった。しかし、よくよく考えてみれば、鈴木氏は裁判で被告なのであり、しかもその罪状には衆議院における証人喚問での偽証罪が含まれている。かつて衆議院に対し嘘の証言をしたと疑われている人間が、今まで平然と外務委員長という重職を務め「国会外交の顔」になっていたのである。

また、衆議院は8月4日には議員在職25年表彰を鈴木氏に与えている。この表彰には過去に有罪が確定した人も含まれているが、国権の最高機関である国会の一院が表彰したことには重みが伴う。


本人が無罪であると主張している以上、その政治活動を制限することは問題であろう。しかし、刑事裁判の被告である鈴木氏に対し、外務委員長という職や議員在職25年表彰といった栄誉を与えたことは国会の権威をますます堕落させることになりはしないだろうか?*1


おそらく野党は「政治とカネ」の問題の一環として次の国会で与党の責任を問うであろう。*2その不毛なことは言うまでもないが、しかしそのような状況を作り出した責任は明らかに与党にあり、また、それはいずれも「衆議院」の名の下に行われたことなのであるから、全国会議員が反省しなければならないことであろう。

*1:国会の権威などもはや地に堕ちていると言われればそこまでであるが…

*2:もし小沢氏が首相になれば、ほぼ確実に国会は空転するだろう。