慶祝!金正恩同志… のはずが

1月8日は尊敬する大将金正恩同志の28歳(もしくは29歳)の誕生日である。

これを祝してウリナラでは大々的な祝賀行事が行われている… と思いきや、今のところそうではないようである。

北朝鮮は8日、昨年9月に金正日キム・ジョンイル)総書記の後継者として公式に登場した三男、正恩(ジョンウン)氏の27歳の誕生日を迎えた。だが金総書記や故金日成(キム・イルソン)主席の誕生日と違い、公休日には指定されていない。北朝鮮は後継体制の整備を、経済事情や金総書記の健康状態などをにらみながら慎重に進めているとみられる。

金正恩氏の誕生日 公休日にはならず困惑も

もっとも、音楽面では金正恩同志を祝福する曲が終日放送されているという。

ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮朝鮮中央放送平壌放送は8日、2年前に発表された歌謡曲「祝杯を挙げよう」を放送した。金正日総書記の後継者、金正恩氏が8日に28歳の誕生日を迎えたことと関連している可能性もある。

金正恩氏が公式登場する以前の昨年の1月8日にも、両放送は「祝杯を挙げよう」を終日、繰り返し放送していた。

金正恩氏の誕生日に祝賀の歌

なお、ここで出てきた「祝杯を挙げよう」とは この曲 (音注意)のことであると思われる。冒頭だけ訳すと「友よ祝杯を挙げよう!勝利の祝杯を挙げよう!」といった歌詞である。

しかし、わが民族同士 上には、産経新聞によると次のようなメッセージが掲載されていたという。

金正日逆徒と息子金正恩を追い出して新しい世の中を作ろう」
「300万人民が餓死するのに超豪華別荘で酒宴をする金正日を処断しよう」
金正日逆徒に銃口を向けよう」
「人民を搾取する先軍政治

国民の不満爆発? 北朝鮮サイトが改ざん被害 金父子への中傷多数

「わが民族同士」はすぐに閉鎖された模様だが、影響は twitteryoutube 上にある関係アカウントにも及んだ。

たとえば、youtube上には、以下のような低俗なアニメ動画が掲載された(少しだけぐろいので注意が必要かも)。

こうした一連のサーバー攻撃を行ったのは一体誰なのか?ということについてはまだ明らかではない。

もし北朝鮮内部の人間であるとしても、パソコンに関して相当な知識と技術をもち、インターネット回線が制限されていない限り、サーバー攻撃など無理であろう。

そもそも普通の北朝鮮人民はこうしたWebサイトの存在をどこまで知っているだろうか。掲載されたメッセージはいかにも北朝鮮国内向けに見えるが、北朝鮮内部の人間はほとんど見れないことを攻撃者が理解していたかどうかは疑問が残る。

North Korea Today が書いているように、中国と北朝鮮の国境周辺に住む朝鮮族の技術者が行った犯行であるとも考えられなくはないが、どうであろうか。

「わが民族同士」のサーバーは中国にあると言われている。また、「わが民族同士」のサーバーを攻撃しただけでは、twitteryoutubeのアカウントを盗むことはできないと思われる。となると、そうしたtwitteryoutubeも含めて内部情報に物理的にアクセスできる人間による犯行という可能性もある(それが朝鮮族なのか北朝鮮の技術者なのかはわからない)。

あるいは、韓国の反北朝鮮団体による犯行という説もないわけではないが、twitteryoutubeのアカウント情報を国外から手に入れるのは簡単なことではないだろう。

ひょっとすると、内部の内通者が韓国の反北朝鮮団体にそうした情報を漏らしたのかもしれないが、いずれにせよ、よくわからないことである。

とはいえ、あえて1月8日に合わせて、アニメ作成など手の込んだことをしたことを考えると、相当計画的に用意周到に行われたものなのではないかと思われる。

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